Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

Phantasmagoria

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脳内が目まぐるしい。まあ悪いことではないが突然起こるフラッシュバックは少々面倒くさいし眠りが浅くて常に眠たい。でも頭の中にかかっていた霧が晴れたような気分で以前より笑うことが多くなった。数年間軽い人間不信に陥って厭世的になっていたが、それでも演奏は続けていたのでそんな状態でも友人は増え続けていたということを今になって実感して少しびっくりもしている。いろいろな宗教の人や様々な国から来た人が集まっているバンコクの街では摩擦を避ける為に人の間にある程度の距離感がある。少々変わっていようがおかしな感じだろうが《人それぞれだ》と放っておいてくれるのだ。タイの人々の個人主義的な気質も相まってこの街には独特の自由な空気があって、それは間違いなく俺の復調を助けてくれた。もちろんたくさんの友人達のおかげでもある。いろいろなことを思い出しながら改めて日々感謝している。数年分の追体験が終わったら今より少しマシな人間になれるだろう…多分。

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実際のところ、今の会社で昼間働きだしてから3年近く経っても会社内でタイ人の友人はゼロだ。本当に一人も友人がいない。できる気配も無い。なんせコミュニケーションをとる機会も自分という人間を表現する機会も無いのだ。人間扱いされていない。酷い場所だな…ともちろん思うが、世間知らずには良い勉強になった。会社ってのはそんな場所なのだ。みんな家族の為に生きる為に我慢しているし努力している。逆にわがまま放題の野良人間として生きのびてきた俺はとても幸運なのだと気付かされた。多少(?)貧乏なのは自業自得というものだ。今月から新しい仕事も増えたが、知らなかったことを知ること自体を結構楽しめている。日々衰え往く記憶力に悩んではいるが…まあそれは仕方ない。

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本格的に即興演奏に集中し始めたのは大阪でキース・ジャレットの演奏を生で見てからだった。もう遥か昔の出来事に感じる。