Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

夜を超えて

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Method to my Madness に行ったのは1年ぶりくらいだったが相変わらず店は賑わっていたし薄暗い店の中を照らすライトはLEDではなく従来の電球。暗闇の中の温かい光は人の心を安らかにするもんで、友人との話は自然と深いものになる。久しぶりだけど憶えていてくれてるかな?と思ったが、顔を合わすとすぐに『KOTA!』と名前を呼んでくれて『久しぶり!』とあいさつを交わした。30分ほどすると雷鳴と共に大豪雨。表で飲んでいたたくさんのお客さんが慌てて店の中に入ってぎゅうぎゅうと身を寄せ合ってカウンターに集っているが皆笑顔ばかりで楽し気だ。『良い店だよなぁ』と友人に言葉を投げて俺はまたビールを飲み始める。

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この店はまったく知り合いのいない状態で飛び込みでメッセージを送って《エロティックな詩の朗読》と《即興音楽》のコラボレーションというイベントを組んでもらった。選んだ理由は写真で見る店の光景と《店名》と今までいろいろなところで弾いてきた俺の《勘》だった。たくさんのタイの詩人達が集って思い思いの詩を読む。俺はそれにその場で音を付ける。世代も様々でいろいろな人と出会えたとても素敵な夜だった。この店のイベントで出会った若いアーティストとはフェスの大きなステージ上でセッションメンバーとして再開してちょっとした感動があったり別のイベントに呼んでもらったりして後の活動につながっていった。経験からくる《勘》ってのはけっこう侮れない。匂いをかぎ分ける力みたいなもんだろう。

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今週は3連休で今日は洗濯やら掃除やらをしてギターを弾いて過ごす。俺の演奏方法では機材を変えるってのは15年ほど積み上げた音を構築する行程を根本から変えるってことになるのだな…と昨日弾いていて思い知った。ルーパーで複雑なレイヤーを組み上げるのはちょっとしたパズルのようなもので、それを何も考えずに自然にできるまで毎日毎日手順を変えて組み合わせを変えて繰り返して身体で憶えてきたわけで、それを基本から変えるのは思っていたよりぜんぜん大変だった。面倒だけど必要なので仕方ない。ひたすら弾けばそのうちできるのだ。無心で音が繰り出せるようになるまでひたすら弾き続けましょう。

追記)本日の音に関するメモ

瀧 康太 - Testing new pedals 01

瀧 康太 - Testing new pedals 02

そんなわけで今日はひたすら弾き続けてみた。まずはOcean MachineとNANO LOOPERにリズムやらノイズを仕込んでそれを使いながらって演奏をする方法を試してみた…が仕込むとやはり今一つ面白くないってのは否めない。仕込んだのもなんとなくの思い付きなのでそれも原因だろう。聞いている人にはわからないと思うけどやっていて楽しくないのでそれは音にも表れている。アンビエントノイズはOcean Machineの特性が出ていて以前より空間的。

瀧 康太 - Testing new pedals 03

02で出来上がったループにドラムマシンとシンセベースを足してみた。なんだかディスコ調(笑)整理すると形はキレイになるだろうけどそんな当たり前の音がやりたいわけでもない。マシンの音を入れない方がまだ歪で面白いバランスだ。

瀧 康太 - Testing new pedals 04

ドラムマシンとシンセを別ラインで放り込むとギターの音が殺されるのでまたループマシンに放り込んだリズムにセッティングを戻して演奏。やっぱりリズムトラックは最小限のパーツだけにしたほうがうまくいくような…かなり厳選しないと遺憾。

とりあえず新しい機材を使うのに必死で全体的な構成を考えられないので慣れるまでは試行錯誤して面白い部分だけを拾っていくしかない。