Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

The alley is full of love and death.

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週末は掃除洗濯にご近所を歩く程度で出歩かず後はギターを弾いてまったりすごした。ツアーを挟んで3週間休みなく動き続けていたし、まだ腰が治っていないので動く気にもなれない。旅から帰ると近所の商店のおばあちゃんが急激に衰弱したようで歩けなくなってしまっていた。そんな状態でも彼女は雨期の店先で車椅子やボンボンベッドに座っていたり寝ていたり。娘や孫や近所のみんなが面倒を見ていて通りかかったいろいろな人が声を掛けていく。俺が挨拶をすると目で返事をしてくれる。いつものように彼女の傍らには白い靴下模様のある黒猫が寄り添っていて半眼で短いカギ尻尾を揺らしている。買い物から部屋に戻って『暑いし湿気が多いし、しんどくないのかな…病院で手厚い看護の下で過ごすのといったいどちらが良いんだろう…』とよくよく考えてみたが、俺の目にはたくさんの人に囲まれて黄昏時を過ごす彼女は幸せに映る。死についてしばらく考えた後で『The alley is full of love and death』というテーマで日記のような90分間のサウンドスケープを弾いた。力の抜けた良い音だった。

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帰ってきたらまた即興セッションの話が来たが、なんだか今ひとつそそられない。正直エクスペリメンタルミュージックに対するモチベーションが下がっている。俺を呼んでくれる連中は仕事としてやっている商業音楽活動のサイドワークとして研究っぽくプライベートな感じでやっているが、俺はソロワークがメインで演奏はすべての皆さんに向けて発しているつもりだ。おまけにアカデミックなシーンに属する人間ではないので、研究結果を発表する理由もないし、プライベートセッションはスタジオで録音すれば良いと思っているので気持ちの持ち方が少々難しくなっているようだ。これは良い悪いではなく個人的なバランスの問題で、多分今はソロワークを進めていくべきなのだ。専業ではない今の俺には音楽にかける時間が足りないので焦りが出るのだ。ここは素直にソロワークを中心にスケジュールを作っていくしかない。合間に余裕があればエクスペリメンタルミュージックをやれば良い。時間は有限なので取捨選択が必要だ。

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とりあえず具体的な課題を書き出している。

一個一個潰して進む。