Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

Endless Loop

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上の写真は2年前の今の時期にビジネスビザを取得するために長時間バスに乗ってすべて陸路で往復した Kuala Lumpur とその道中の街 Hat Yai の街の光景。さっき起きる寸前になぜかやったこともない類のオフィスワークの夢を見ていた。内容はどうでもよいことだったが、とにかく俺はささいなことで困っていた。そしてトラブルの原因を考えてそのあまりにくだらなくもありがちな原因に『しょーもな!なんじゃそれ!』と毒づいた場面で目が覚めた。

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夢から覚めてハタと気づいた。あ、停滞している…と(笑)

とりあえずビザを取って最低限の状況を作って音を作ることに集中しようと今の仕事を始めたわけだが、慣れてきて社会の片隅にすっかり安住してしまっていた。ちっぽけながらも安定しているならば、次は既存システムに頼らず自分だけで生きる術を見つけなくては本当の意味で自由にはなれない。生来モノグサなのですぐに巣に閉じこもる癖がある。土俵際に追い込まれてから動こうとしても動けないわけで、いい加減に学習しろって感じである。部屋で地味にトレーニングしているだけでは意味は無いのである。

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ただ、ギター弾きとしては意味のある2年間だったのは間違いない。約15年間に渡って好き放題弾いて回っていただけでまったく整理されていなかった自分の音とスキルを整理して磨き直した結果、大きなステージでタイのメジャーミュージシャンたちと混ざっても音の威力には遜色ないと知ることができた。偏屈で孤独な活動だったもので『間違っていなかった』という嬉しさに一瞬勘違いしかけたが、だからと言って俺には彼等のような人の為の演奏をできるわけでもないのである。たまたま辿り着いたあの場所はそもそも俺の場所ではなくて、この国でずっとエンターテインメントを志してその世界で努力してきたミュージシャン達の為に用意されたステージだ。好きにやるならば自分の生きる場所は自分で作らなくてはいけない。要はここからが本番なのである。音楽のベーシックを見直す時間の後は生きるための活動に戻っていかなくてはいけない。

同じタイミングでいろいろなことが起こってちょっと彷徨ってしまったが、今朝の夢は脳からの《さっさと動け!!》というメッセージなんだろう。

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めっちゃクールなベースライン。こんなベーシストと一緒だと上で何弾いても楽しいだろうな。フリージャズのドラマーと共演するので礼儀として《フリージャズの定義とは?》って検索をかけて評論家の記事を読みつつお薦め音源を聞きつつ勉強していたら最終的にはフリージャズとはぜんぜん関係ない曲に引っかかった(笑)個人的にはフリージャズは退屈だ。オーネット-コールマンの有名なアルバムも、山下洋輔のパフォーマンスもピンとこない。歴史上の有名な作品として知ってるってだけだ。頭の良い人が狂人のふりをしているような感じで煮え切らない。技術はもちろんすごいんだけど、狂気と言う意味ではそこに特化したノイズとかジャンク、スカムと呼ばれる後発の狂人アーティスト達に及ばない。この曲の後半にもフリージャズに近いパートがあるが、ひとしきり暴れた後に一瞬でタイトなグルーヴに戻ってくる様がやはりこの手の音楽を聞いている時に一番気持ち良い場面だよな…と思う。

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今日のトレーニングは超長時間の即興演奏。脳内にある音を全部絞り出す感じ。

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今日の演奏の一部分。