Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

なんだかんだ

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23日はフアヒンのSsshhh Barって初めて行くBARでイベント。フェスと書いてあるがマニアックな内容なので規模的には小さい。昨年はたまにイベントに参加しに行っていたが、人の集まりが悪過ぎたので後半はストップした。交通費払って宿泊費払って時間も使って人がいない場所で演奏するってのは流石に虚しかったのである(笑)それを知ったうえで友人のGaryLive Loop Asiaの主催者のシンガポール人ループギタリスト/シンガーのRandolf Arriolaが連絡をくれた。『KOTA!1回目のイベントがお客さんも来て成功だったんだ。今度2回目をやるから参加してくれると光栄なんだけど…』このふたりは大ベテランで先輩である。先輩からこのスタンスで来られたら参加するしかない。スケジュールも空いていた。会場をチェックしたら雰囲気の良い場所だったし。Randolfは下の映像で見ればわかるようにシンガポールでは成功している有名なミュージシャンで、実際ものすごく上手いしループ奏者としても最新の機材をメーカーから提供されて使いこなすハイレベルなギタリスト。TEDで講演するってことは世間的に認められてるってことだ。彼の演奏を聞くと音質の良さに感心する。俺はノイズに近い音質で積み重ねていくが、彼のカバー演奏の音は実際の音源に近いハイクオリティーな音質。流石最新機材。そんなわけで全く無名でアカデミックな要素の全くない地下住人の俺とはぜんぜん違うスタイルのミュージシャンだけど、ループフェス初参加以来何かと声をかけてくれるのでありがたい限りだ。

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シラパコーン大学に所属して各地でジャズを教えていてT-BONEというビッグバンドでステージに立ち、フリージャズやノイズなどの演奏もやるGOLFさんもそうだけど、ミュージシャンとして社会としっかり向き合えているミュージシャンを見ると、人としてスゴイなぁと感心するしかない。俺は人間的にかなり問題があると彼等を見てわが身を振り返る度に実感するのである。俺の精神はずっとパンクだったクソガキの頃のままで未だに世間一般ってのが嫌いなままだ。なので、どうやったらあんな人間にになれるんだろう…?と考えてみるが想像すらできないし、自分の追いかけている音以外には年々興味が無くなってきて、それが無かったら何もない人生なので、最近はもう人生が終わってもいいかもな…と半ば本気で考えている。

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ある意味ガキの頃に望んでいた退廃的な人生を俺は実現しているが、ガキの頃の想像では人生は既に終わっているはずで、こんなおっさんになってもギターを弾いて歩いているとはまったく思っていなかった。それも弾き歩いているのは東南アジアのタイである(笑)なんじゃこれ。今までの無茶な暮らしぶりを考えると大きな病気もせずに生き続けているってのは身体が丈夫なのだろうけど、好き放題な暮らしなのでストレスがないってのもでかいだろう。この2年間普通の会社で仕事をしてみてわかったが、ストレスこそが大概の病気の原因だと実感している。こんなことを若いころから続けていたら頭も身体もおかしくなるわけだ。日本の会社ってのは欧米の国と比べて個人の扱いが軽くて人権意識に欠けるとうだが、それを理解できたのは日本の外に出てからだった。

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チェ・ゲバラが何と戦っていたのかを理解したのもここに来てからだ。エリートとされている商社の連中がただの心の無い人形であることを理解したのもそうだ。タイに来たのは仕事をする為だったが、俺は金を作るというのがどういうことか理解していなかった。ある程度でも理解していたらここにくる話は断っていただろう。ただここに来れたのは良かった。あのままでは俺の音楽は進まなかった。なので俺はこのままやっていく。そのうち死ぬ日までは野良ミュージシャンとして弾き続けられることを祈っている。