Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

大きな輪

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日本にいる頃は神戸を中心に大阪、たまに京都、ツアーで四国やら広島辺りを周っていた。今と全く同じで自分でブッキングして機材を引きずって現場に行って…という感じで弾き歩いていた。大阪の味園ビルの2階のBARの立ち並ぶ回廊にあった大きな輪もそうやってブッキングした場所だった。今もそんなに愛想の良い方ではないが、その頃はもっと酷かった。『店でギターを弾かせて欲しい』といういきなりのメッセージを受けてくれたやさしい皆さんも、自分から頼んでおいて普通の曲は一切演奏しないし愛想も悪いしMC等も一切なしという変人ギタリストに戸惑うことも多かったはずだ。大きな輪のマサさんはもともと服のデザイナーでインドネシアのバリ島で仕事をしていたかなり個性的な人だった。アート好きで先鋭的な音も好きで変な奴にも寛容で俺のスタイルを面白がってくれたもので、その後は定期的に出演するようになったし、演奏ではなく個人的に店に飲みに行くこともあった。これは演奏以外のことに無関心な俺にしては結構珍しいことで、要は器の大きい人だったので懐いていたのだ。そうは見えなかったと思うが…(笑)最近は残念ながら会えていないが帰国したら演奏しに行くつもりだ。

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昨夜はその大きな輪で演奏している連中がバンコクに来ていたので一緒に飯を食って軽く飲んだ。途中で合流したミャンマーで興味深い仕事をしている彼等の友人の話が面白かった。仕事の内容については彼の個人的なことなので書かないが…なかなか聞けない話だった。関西人なのでなにはともあれなんだかんだとよく喋る。普段仕事以外で日本語を喋ることが無いので、たまにわいわい喋ると少し里心が出るようで帰宅してから日本のみんなは元気かな…と演奏していたいろいろな場所や良く飲んでいた界隈の空気を思い出していた。

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会いたいなと顔を思い出す友人がたくさんいるってのは幸せなことだ。ひとりで異国にいてもあまり寂しさを感じないのはそのおかげなのかもしれない。もちろん今でもいろいろなところに友人が増えていっている。チェンマイ、チェンライ、フアヒン、ナコンパトム…インドのデリー、インドネシアシンガポール、アルゼンチン、フランス、ベルギーetc。これからもどんな人と会えるのか楽しみでそれがソロ活動の原動力になっている。

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所謂シューゲイザーというジャンルを聞き直している。タイのインディーバンドはこのジャンルの音を演奏するバンドが多い。80年代~90年代の音なので世代的にはもちろん聞いていたが、なぜタイにはこんなにこの手のバンドが多いのか最初は不思議だった。在住8年目になってその理由がわかってきたので再考している感じだ。俺はこの手のバンドをやったことはないが若いころに多分に影響は受けているので、ソロになってからシューゲイザーの影響について記述をされることが度々ある。タイの若いミュージシャンがイベントに俺を呼ぶのも多分関係あるだろう。ちなみにこの前共演したBIRD ADISAKの所属するバンドもシューゲイザーの系譜だ。小さいところで弾いていると出せないが、もともと轟音ギターが大好きな俺としては来週末のデカいステージではできる限りの轟音も出したい。もちろんコピーをする気などさらさらないが、聞き直して音の感触を再入力している感じだ。

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タイのシューゲイザーバンドのミックスリスト。2曲目がADISAKのバンド。