Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

Communications broke down

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昨日から5日間は人生で初めての有給休暇というやつである。この2年間オフィスワーカー/アンダーグラウンドギタリストの二重生活の割にはけっこうな数のライブをやっていたが、一度もこの有休ってシステムを使っていなかったので溜まっていた有休を消化する必要があった。12日間あるというので長期ツアーを組もうと数カ月前から日程の相談をしていたにもかかわらず、事前調整なしでいきなり1週間前にここからここまで休みですとプリントで渡された。いきなりの上に飛び飛びのわけのわからない休暇予定である。1週間前に言われても誰と予定が合うわけでもなし、できることと言えばひとりで部屋で寝るくらいだ。正直言って無礼千万だと思ったし記憶力と常識的配慮の無い阿呆なのかとも思ったが、俺はバンコクに来て初めて会社勤めをして《全ての会社は人間を人間として扱わないただの集金システムである》と理解したつもりだったが、それでも気を使ったうえでの今回の適当な対応には少しイラついた。日本の会社に入ったもので日本人の悪いところが出てしまった。気を使うと損をするというシンプルな事実を、もう一度胆に銘じた次第。みんな文句も言わずに死にそうな表情でただただ働いていて我慢強いなぁと感心するばかりである。流石はサムライの時代から自分を殺すのが仕事であり美徳だと教え込まれてきた世界で最高にクレイジーなサムライの末裔。島国が故に本当に日本人は変わっているなぁという実感は年々強くなっていく。歴史の中でかなり矯正されたであろう今になってもやっぱりその片鱗は見えるものだ。

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家族の生活を守る為に自殺寸前まで我慢に我慢を重ねる姿は尊いが、今の状況を作ったのはやりたい放題やられても文句を言わないその真面目で勤勉な国民性だというのは皮肉な話である。とりあえず数十年前に一度結果は出しているわけで良くできたシステムであったことは間違いないが所詮は過去の栄光である。しかもバブル崩壊後は島国ってのもあってぜんぜん時代についていけていない。働いている者には以前と同じ献身を求めるのに会社が社員の人生を守るという責任だけ放棄してしまったわけで質が悪いにもほどがある。ただ、人類滅亡の危機くらいの災害でも起こらない限り今さらシステムは変わりもしないだろうし不適合者は緩やかに排除されて家族を持てずにひとりで死を迎えて淘汰され、文句を言わないおとなしい血だけが残っていくのだろう。もちろん見ての通り俺もひとりで死んでいく不適合者だ。方や俺と同い年のスコットランド人のハイテンションで明るい友人は先週若い女の子と結婚した。理由はまたしても子供ができたから…らしい。まったく同じ話を何年か前にも聞いたよな…相手は別の女性だったけど(笑) 要するに厳しい世界を生き抜く上で性格ってのはとても大事なのだ。ZOZOの社長さんもそうだけど常識を超えて全てを肯定的にとらえてとにかく前進できる奴は強い。生命力ってのはこういうもんだ。あいつの子供がどんな人生を歩むのかはわからないが、個性的な性格ってのは遺伝するだろうなと想像している。Great job bro !!

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俺がひとりでいるのは俺が今までにやってきたことの結果であり必然なので文句はない。今の仕事も自分なりに理解する努力をしているのでたまにイラついてはいるがたいした問題ではない。ただ、真面目に頑張っている人がまともに扱われていないのは如何なものか?とはほとんど社会に参加していない俺でも思う。まあ俺の会っているのは仕事場だけなので、家に帰ればかわいい子供や嫁さんと笑顔で過ごしているんだろう…と考えることにする。頭の中で『お前は人の心配などできる状態か?』という不機嫌な親父の顔がうかんでくるが(笑)残念ながら俺の家の血筋は俺で途絶える。ご先祖様と親父には申し訳無いが最早どうしようもないのでせめて最後まで自分をやりきろうとだけ今は思っている。

この世の全てを肯定せよ。

混沌からすべてが生まれる。