Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

バンコクの話

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夜明けが遅くなったので毎日暗いうちに目が覚める。この街に来てから夜遊びをあまりしなくなったので明け方に起きることが多くなったが、夜が明けて太陽の光が差すと、下水のバクテリアが活動を開始するのか果物が腐って発酵したような甘い匂いが立つ。街が動き出すといろいろな匂いが混ざりあってわからなくなってしまうが、世界のどこよりも清潔な日本ではあまり嗅いだことのないこのなんともいえない匂いが俺にとって最初に残っているバンコクのイメージだ。バンコクだけでなくどこに行ってもだけどタイには様々な匂い/臭いが溢れていて慣れるまではけっこう気になった。そこら中に出てくるネズミとゴキブリも気になったが(笑)日本に帰国すると道路脇にゴミが落ちていないこととほぼ無臭であることに毎回驚くし、タイに戻ると空港で感じる様々な匂いと道路脇のゴミを見て帰って来たな,,,と。

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暑さも少しマシになったので最近ゆっくりトンロー界隈を歩く機会があったが、この7年間で半分以上の景観が変わっていることを実感した。あと数年ですっかり景色は変わってしまうだろう。アパートの周りの見慣れた下町の光景もあと何年かしたら無くなってしまうかと思うと少し残念だが、新しい洒落た街並みもじっくり見ると日本では法律上作れないであろう極端な建物がたくさんあるし、一旦は排除されてしまった庶民の為の屋台も形を変えて相変わらず存続している。今後すべてが刷新されてキレイになっても、タイの特徴的なカオス感は無くならないようだ。結局タイ人の個人主義気質と貧富の差によるコミュニティーの隔絶が街並みに現れてるんだな…と思った次第。根が深いのでそう簡単には解決しないだろうし。あと、最近感じることがもうひとつ。新しい国王になってから王様の姿を見る機会が極端に減った。前国王の生前はどこに行っても写真が飾ってあったし映像も写真も毎日のように目にしてこの国が『王国』なのだと常に感じていたが、今はその感覚が薄い。実際はまだ軍政だし選挙の話がそろそろ出てきているので今後なんらかの混乱が起きる可能性はあるだろう。どうなるかは外様の俺にわかることではないが、タイ人は常に明るい。結局マイペンライなのだ。

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夜が明けてきた。窓からオレンジ色の街が見える。運河を行き来する通勤船のエンジン音が聞こえる。俺は今日は隣のナコン・パトム市でライブだ。国鉄で行こうかバスで行こうか、それともタクシーで行こうか…。