Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

雨期の徒然

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improv at LIVE CUBE Bangkok 2018

タイは雨期に入った。雨期の始まりのスコールの後は街全体がスチームサウナのような状態になる。ソンクラン期の酷暑が残っているので一年で一番不快な時期なのだ。この季節に雨上がりの街を歩いていると毎年必ず昔見たいくつかの映画を思い出す。

ロリータ (1997)

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古い小説の2度目の映画化でロリコンのおっさんが少女にハマってずるずると破滅していく映画なわけだが、俺が思い出すのはストーリではなくてジェレミー・アイアンズ演じるイギリス人フランス文学教授が着ているいかにも高級そうなスーツの美しさとジャケットを脱いだ時にシャツにくっきりついた脇汗の染み…おっさんの脇汗…生理的に不快…とそればかりが気になって女の子の演技とかストーリーとか肝心な事をまったく憶えていない。ただ、汗だくで歩いている時に必ずジェレミー・アイアンズの薄幸そうな変態顔が脳裏を過ぎる。正直鬱陶しい(笑)

ブレードランナー (1982)

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説明の必要が無いSF映画の名作。原題の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (Do Androids Dream of Electric Sheep ?)』というタイトルは詩的で簡潔でとても美しい。毎度思い出すのは映画冒頭のデッガードの食事シーン。バンコクの街はほぼこのままの雰囲気なので、雨の夜に歩いていると興が乗って屋台で飯を注文し、数分後には『なんで雨に打たれながらわざわざ飯食わなあかんねん』と後悔するのである。関係ないが、雨の日の過ごし方で一番気持ち良かったのはチェンマイの店の軒先で豪雨の音を聞きながらの足マッサージだ。スコールが降り出すと1時間ほどバンコクの街は麻痺するが、その間にマッサージを受けるってのは一番良い過ごし方かもしれない。

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Youtubeに《RAIN》と入れて検索。同じ多湿の国でも日本人とタイ人はぜんぜん性格が違う。性格が違えば音も違うだろう…じゃあ他の国は?て感じでいろいろな雨に関する音楽を聞き比べると面白い。俺の感覚もここに来る以前とは違うのだろうな…と思うが本人にはこういうのはよくわからないもんだ。楽しくなんだかんだ見てさて次は…名前は知ってるけど初めて聞くなこのバンド…と某日本の有名バンドのMVをチェック。歌詞と歌い方が果てしなく気持ち悪い。で、即終了。先ずは《一生懸命風な表情》を作るのはやめてほしい。一生懸命を売りにして良いのはせいぜい20歳までだ(適当)ひたすら暑苦しいしただただ鬱陶しい。そんなわけでフラム〇ールの歌によって雨の歌検索は終了した。子供と動物の映像で感涙でも流すか…。

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数週間前、Soundcloudスピリチュアルジャズの9時間MIXが出ていたので1日かけて聞いてみたが音の構成は好きで参考にもしてるけど、曲によっては恥ずかしい気分になる時がある。DJではないので選曲の基準が良くわかっていないので何とも言えないが、だいたいスピリチュアルという言葉は年々胡散臭い言葉になっていてマイナスイメージしか浮かばない。ヒーリングとかスピリチュアルとか霊感詐欺師の類の連中が使い過ぎていて信用できないことこの上ない。ファラオサンダーのサックスの音色はとても好きだ。動物的な素晴らしい音だ。好きな曲も多い。でもこの感じはなんだか恥ずかしい。ハイになった世間知らずが万能感を伴って愛と平和を語っている空気がとてもしんどい。でも、今バンコクでJAZZと呼ばれている技術と知識に偏った演奏を聞くのはもっとしんどい。みんなそれなりに男前で小ぎれいでしっかり基礎のある素晴らしい技術を持っているけどあまり面白くない。結局こんな偏屈野郎は好きなオリジナルのライブミュージックを探すに俺自身が虫のように良い声で鳴いて仲間を呼ぶしかないのだ。最近はいろい考え過ぎて何が何だかわからんな…という状態ではあるが、没入するってのはみんなが籠っている今しかできないことだな…とも思う。そんな感じで雨期だろうと乾季だろうと俺のうだうだした日々にあまり変わりはない。

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コルトレーンのこのアルバムは大好きだ。今も帰国時には必ず演奏させてもらう神戸須磨のボナルーカフェのトモヤのやっていたシャノアールというBARがまだ三宮トアイーストにあった頃に店でかかっていて『これ誰?』と聞いて教えてもらった。2005年くらいの話だ。コルトレーンの名前はもちろん知っていたが、俺はそれまでマイルスとバードとキースジャレット以外のジャズジャイアントの作品をあまりしっかり聞いたことがなかった。この2年後に淡路島のスタジオでTRIP IN SUMMER のレコーディングをした際に、スタジオの入っているホテルのオーナーと見晴らしの良い彼の Private Bar のカウンターで極上のウイスキーを舐めつつジム・ホールを聴かせてもらってその生々しい音色に感動して、それ以来日常的にジャズをよく聴くようになった。その後10数年はただただ趣味で聴いていた。本格的に《これ弾きたいな…》と思うようになったのはほんとうに最近だ。言葉の前には《ジジイになったら》がつく。今は人前で演る気は無くてひとりで勉強がしたいだけだ。

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ブルースも正にそうだったが、若い頃最初に見たライブがあまりにもよくないと食わず嫌いのような状態になってしまう。田舎の先輩ってのは暇に飽かせてとにかくいろいろ音楽について酔っ払った状態で語るわけだが、シンプルに『ぜんぜんカッコよくない』という根本的な問題を置き去りにして語られる悠長な音楽談義はその頃からサバイバル状態で生きるのに必死な鼻息の荒い猿のような俺にはまったく理解できなかった。結果、俺には『ルーツミュージック=クソダサい』という刷り込みが行われ、その後10年以上この呪い(笑)は解けなかった。

改めて聞けば優れたジャズミュージシャンは本当にカッコ良い。ライブが見られるものなら見てみたいし本当にずっと見ていられるだろう。創世記のブルースマン/ジャズマンはほんまにクールだ。俺は最初に見たライブの先入観のせいでルーツミュージックの本質を知るのが本当に遅かった。先入観が強すぎて聞く耳が持てなかった。完全に拒否していた。なんともったいない…今子供のいる皆さまには言いたい。

『最初が肝心!!』

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日々の徒然

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ひとり強化合宿継続中である。毎日ひたすらギターを弾いている。2か月弾き続けてマシンを使ったセットもだいぶマシになってきたので、次のツアーではもうひとつレベルの上がった演奏を見せられるだろう。怪我の功名…となれば引き籠りも悪くない。ペダルのセッティングに関しても何が必要かは見えているので、後は金と時間の問題。

3年前に暑さにやられて激痩せして3年かけてやっと元の体重に戻ったところだが、今年も暑さにやられたようで急激に食欲が減退中だ。先週からは基本1日1食で、それもいつもの半分くらい食べた時点で胸やけがしてくる。そんなわけで夜はろくに飯も食わずにビールばかり飲んでいると流石にこれは遺憾と《食欲をそそる食事》についてあれこれ思案してみるが今のところ打開策は無い。トンローにあるArno's burgerの看板メニュー《ブルーチーズバーガー》を食いたいとつい10日前までかなり盛り上がっていたのだけど、今は全くそそられない。とりあえず無理にでもなんか食わないと…。

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6月に入ってバンコクは人出が増えた。今日から1ケ月かけてじわじわと規制が解除されていくと信じたい。みんなそろそろ限界ってもんだ。俺は好きだったお店が既に2つも無くなってしまってひたすら悲しいし、ライブがなくなって人と会わなくなったものでコロナ以前の事が夢だったかのようなふわふわした気分になって、果たして俺は実在してるのか?と終わりなき問いを繰り返した挙句『ああぁ辛気臭えっ!酒だ酒!!酔ってさっさと寝るぞ!』ってな感じでなんせ退屈なのだ。昨夜は会社で唯一仲の良い友人と部屋飲みをした。途中で《よく喋るなぁ》と自分に感心するくらい俺はめっちゃ喋った。どうやら会話に飢えていたらしい(笑)現在バンコクは門限があるので時間はあまり無い。4時間ほどでビール大ビン8本をふたりで飲み干してええ感じで友人が帰った後で、ホームタウンの友達とくだらない話をしたくなった。BARグラナダのカウンター席でコーゾーとパンクロックを聞きながら飲めたら最高。カタカムナアブサン飲んで撃沈も楽しそう。ドミンゴのブルーチーズバーガー食いたい。これただのホームシックや。

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2月のナーンの街の朝の光景と3月のフアヒンのレストランからの光景。

みんなが実在してるのかどうかを確かめに行かなくてはいけない。

騒ぎが終わったらまた弾きに行こう。 

Can you accept a super controlled society?

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暑い。熱帯夜だ。暑さで目が覚めてしまった。エアコンはガスが抜けているがアパートのスタッフもごみ処理の仕事くらいしかしていないので今は修理できない。仕方ないのでコーヒーを淹れてさっさと起き出すことにした。

さておき、昨日は午後2時にGOLFさんが迎えに来てくれてラムイントラの彼の家へ。久しぶりだったので道すがら色々話していたが、ライブ活動も停止、大学も2月から休校中ということだったがまあ仕方ないという感じで泰然としていて普段通りのゴルフさんだった。母屋の向かい側、オアシスみたいな美しい庭を挟んで彼のスタジオがあった。彼の家族とは何度かあっているのでやあやあ久しぶりお邪魔しますと挨拶を交わしてコーヒーをいただいてセッティング開始。いつも通りなんの打ち合わせも無く演奏を始めた。

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計3セット3時間強のセッション。この映像は2本目。3本目が実験的って面では面白かったかな。とりあえずゴルフさんと演奏するのが久しぶりでひたすら楽しかった。

最近のマイクはすげえなと思ったのは、カチカチうるさいペダルのスイッチノイズが自動的に消去されるという…原理は解らないけど便利だしなんだか不思議。セッションを繰り返しているうちにあっという間に5時間が過ぎて、帰りの車の中で『最近なに聞いてる?』という話になったので『モードに興味があるのでJAZZを聞いていることが多い』と言ったら Jazz instructor のスイッチが入ったようでものすごい勢いでモードジャズについて説明してくれた。英語での説明なので完璧な理解は難しいけど、今まで読んでみたネット上の記事と角度の違う説明で解り易かったな。タイで一番有名ともいわれているジャズ講師と3年以上一緒に演奏していて今まで一度もちゃんとジャズについて聞いたことが無かったという…いつも一緒にやる時は彼は実験音楽のテンションやからね…そんな感じにならなかった(笑)これを機会に少しずつ教わろうと思っている。

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最近上の記事みたいなものが多くて、これを機に当たり前のような感じで超管理社会へ向かうのかと思うととても恐ろしい。実際かなりの割合の人がそれを望んでいるようにも見えるし。個人規模の事業が次々潰れていって、どうやら日本の政府はそれを守ろうとはしていない。ちなみにタイも同じような流れだ。数年前から屋台を減らしたりしていてこれ幸いって感じで問題を放置している。個人の権利という意味ではヨーロッパの方が意識が高いんだなと言うのが実感だ。音楽やアートの扱いもそうだし。

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混沌を愛する者としては嫌な流れだなぁと危惧している。

 

 

 

若いミュージシャンはマリファナでも吸って1年くらい惚けておけばいいんだよ

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2022年迄って長すぎるだろ…

読売新聞に人との接触を避ける生活を2022年まで続けなくてはいけないという記事が出ていてちょっとうんざりした。インターネットでやりとりをするのは悪くはないが、わが人生のひとつしかない目的であるライブ活動に戻る日がいつになるのかと思うと気が遠くなってしまった…というよりライブシーンは再生できるのか?というのが一番心配なところだ。もちろん演奏する現場の皆さんは努力して再開するだろうけど《そこに人は来るのか?》という大きな問題が立ちはだかっている。ネットで人気を獲得してオフ会みたいな形のライブイベント…というのが安直に思い浮かぶけど、この形だと先ずはネットありきな感じでここを押さえないとライブすらできない…とこれはただのくだらない妄想だけど、上の写真のように気軽にみんなが飲みに集まって音楽を楽しんでくれるって光景は簡単には思い描けない。ライブ会場に入る時にエントランスでコロナ非感染証明書を提示して消毒して…とかとても面倒くさい(笑)

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若いミュージシャンはマリファナでも吸って1年くらい惚けておけばいいんだよ

先が見えないのでとりあえず俺たちの時代は終了なのか?とも思うが、もちろん結論を出すにはまだ早い。生きている限り楽器は弾けるし音を磨いていくことはできるのだ。オリジナルで高品質な音を奏でられるならば必ず道は開ける…というのが長年の個人的な指針だ。音が良けりゃ生き残るし届かなければ消える。諦めなければ続くし諦めたら終わる。シンプルなお話だ。最近気になっているのは急にオンラインで投げ銭を取ったりする方向で金を稼ごうって動きが増えていることで、短時間で視聴者の受けを狙うってのは大道芸に近いもので要するにその道に特化していかなくては結果が出にくい。生きる為にお金を稼がなくてはいけないのはもちろん解るけど、表現のコアな部分を金の為に安易に変えてしまうと大事なものを失うし取り戻すにはものすごい時間がかかる。経験からきているのでここは間違いない。下手に足掻く前に《自分は何をやってきたのか》《なぜ音楽を始めたのか》等々しっかり見つめなおしてから進むのが良い。考えた上で《とりあえず金を稼ぐ》となれば、それは商売の話なのでビジネスライクに考えれば良いのだ。心配なのは世の中に稀に存在する音楽が無いと生きていけないという人種や命を賭して向かっていっているハードコアな連中で、このような人種は自分が穢れたと感じると自死を選ぶ。なので後々悔いることのないよう先ずは深く考えるべきだと言いたい。時間はかかってもそのうち動ける日が来るのだ。安易に絶望してはいけないし命を捨てるのはもっとよろしくない。生きてやり続ければ音楽はひたすら進化するし面白くなるってことは保証する。このわけのわからない日記も、そのうち『ロックダウン中めっちゃ暇やってんなぁ』と笑える日がそのうち来るのだ。暇になると要らんことを悩むし考え過ぎるしでろくなことは無い。若いミュージシャンはマリファナでも吸ってひたすら楽器を弾いて1年くらい惚けていてもそれが将来何かの役に立つさ…多分ね(笑)

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おっさんのSNSはおそろしい

そういや暇に飽かせていろいろな記事に付けられたコメントを見ていると日本人の特におっさんに人種差別的な程度の低い書き込みをする輩が多すぎる。この期に及んでこんなに程度が低いとは驚愕だ。《思っていても言うべきではない》ことを得意げに書いてしまう。FBの個人アカウント晒して書いてる人もいるので、公私の境目が見えないのかもしれない。居酒屋で程度の低い友人だけで話す内容を、誰でも見られる場所に晒すってのがどういうことかわかっていない。あまりにひどいので最終的に他の人に『日本人の恥』と怒られて自分のコメントを削除するわけでもなくコメント上で謝っていたりしてかなりトホホな感じ。それを見て恥ずかし~くなりながら同じくおっさんである俺も気を付けようと思うわけだが…先ずは自分のことを厳しく律していかなあきまへんな。

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今日も何もないので朝から洗濯をしている。その後はギターを弾き散らかして一日が過ぎていく感じ。んで、明日はゴルフさんの家でプライベートセッション。目いっぱい楽しんで演奏しよう。

QUIET LIFE IN BANGKOK

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2020/04/13

人前で演奏のできない日々はただひたすら退屈だ。最低でもあと2週間この感じが続くわけだが今月末ですべてが収束するはずもない。人類がCOVID19に対抗する手段を得て、皆が仕事を始め、すべてが落ち着いて初めて音楽って感じだろう。本当に収束するまでには年単位かかるだろうな…。さっきゴルフさんからメッセージが入って今週末は彼の家でセッションをすることになった。今も毎日出勤している身なので感染の不安は常に付き纏うのでどうしたもんかと迷ったが、流石にひとりで部屋で演奏をするのテンションを保つのが難しくなってきいていたので嬉しい誘いだった。この国のミュージシャンの友人の中では数少ない先輩からのお誘いだし、ここはその好意に甘えてみようという感じだ。ゴルフさんは人間的にも興味深い人だ。確固たる地位を築いているけど常に礼儀正しくて若い連中の世話もしっかりしていて、それでいて演奏中はなんだか浮世離れしていて子供みたいで愛されている。俺はよく彼と一緒に演奏している最中に noblesse oblige という言葉を思い浮かべる。俺は野良犬みたいなミュージシャンなので、彼の清廉さに感心することが多い。要するに彼の誘いは光栄だ。素直に嬉しい。楽しもうと思う。

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毎日窓の外の空を眺めながら日記のように毎日目的の無い演奏を続けているが、たくさんの人間が活動を控えているおかげでここのところのバンコクの夕空はとてもクリアで美しい。そういう意味ではこれをきっかけに俺たちの生活の在り様が変わっていくのは地球にとっては良い事なのだろう。もちろん人間の数が減ることも…。今日は雨が降って雷が鳴った。明日は街の汚れが洗い流されてもっときれいな空が見られるだろう。こうやって実感することでタイも環境が改善されるかも…とか考えてみるが、結局復興のための金が第一になるんだろうな。みんなが動き始めればまた空は排気ガスで汚れて混沌と喧騒が帰ってくる。

瀧 康太 - improvisaton with rain

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2020/04/14

夕刻、『あのぉ…人が足りないのでこちらの仕事終わりでアソークのオフィスに出勤できないかって依頼があるんですが…』『え…?アホか!とお伝えください』というわけで、その場の空気を凍り付かせつつ会社の管理者との間では相変わらず不機嫌剥き出しの対応が続いている。別に個人に対して恨みはないが、そのやり口が受け入れられない場合に不快感をしっかり伝えるようにしている。無神経且つ無礼な無茶ぶりは従順で真面目な皆さんにお任せして、最低限の仕事をこなす以外はマイペースでストレスをなるべく感じないように動く方が自分勝手な俺には良い。下手な我慢は大きな事故を招くし(笑)だいたいみんな我慢し過ぎなのだ。軋轢を避けて見て見ないふりをして、我慢こそが美徳というような考え方を美化して言われた通りやってきた結果が今の日本の人権軽視みたいな状況を作った一因であることは間違いないわけで、ある種自業自得でもある。キレてしまうのではなく不快感や納得できないことを伝えるために怒るのだ。面倒だけど付け込まれない為には必要なスキルなのだと最近は思う。演技と言っても良い。まあ、これから年寄りが引退してやり方が変わればこんなことは必要なくなるのかもしれないけど。

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演奏に関するメモ

タイのエフェクター職人 DUB HEAD に Oscillator 付きのオリジナル FUZZ PEDAL を注文した。残るは Rhythm Machine とMIDIクロックでシンクロできる LOOPER を手に入れる。とりあえず DOTTO ×4 か Infinity Looper が候補。パーカッション系の強いRhythm Machineとシンセを追加すれば機材整備は完璧。現状が長引いた時の為に一応LINE6のインターフェイスでネット中継する方法を今調べている。ネットで収益を上げる為のリサーチもしているが今のところレーベルに任せているので急いではいない。投げ銭スタイルで稼いでいるミュージシャンも多いけど、あれは音楽向きじゃない。DJや大道芸、Youtuberの稼ぎ方なので、今の俺のスタイルにはまったくもって向かないし何より嫌いだ。もちろん稼がないと死ぬけどここまで来たら貫くほうが良いと考えている。

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タイの感染者は減っていっているが鎖国状態は続くようだ。労働許可証を持っていても国王承認の許可証が必要ってことで出入りが難しくなっている…てかほとんど無理だ。冷静に考えて、日本にはしばらく帰れない。毎年この季節は王子公園や護国神社の桜、須磨の夜の海、友達のお店で食べる美味しい食事が心底恋しくなる。俺は不器用で商売の才能皆無のロクデナシだけど、日本とバンコクやアジアを演奏しながら行き来できるようになりたいとずっと夢見ている。今は無理でもいつか、音楽を磨き続けることでそれを成し遂げられると信じて歩き続けている。

 

嗚呼、マジで日本の桜が恋しい。

とりあえず元気です

f:id:kotataki-dubdrawingspace:20200321234212j:plain写真は暇潰しの散歩の光景。明日から本格的にバンコクはロックダウンの様相でこれからどうなるかはよくわからない状況ではあるが、とりあえず俺は今のところ元気だ。仕事が止まるのかどうかがわからないので情報を集めなくては…と思ってはいるが、まあどうなろうと結局なすがままである。買い溜めとかする気も無いのでスーパーにも行っていない。最近よくわからなかったのはウォシュレットが普及している日本でトイレットペーパーを買い溜めるのは何の為なんでしょう?それが原因で殴り合いの喧嘩まで起きたっていうニュースを見たけど、最悪洗えばいいじゃん…世の中には理解できないことが多すぎる。特に日本は(笑)トイレットペーパーで殴り合いってCOVID19より深刻なビョーキだと思うけどね…。

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今週末はギターを封じ手にしてモノシンセとリズムマシンだけで即興演奏をやるという試みに挑戦している。正直ギターの方が100倍くらい楽しいのですぐに飽きて『あぁぁぁぁギター弾かせろぉぉぉ~』っていつもの禁断症状に襲われているのだけど、そこはぐっと我慢して新たなスキルを得ようって感じだ。そろそろフルセットで演奏する際のギターとその他の楽器の差を詰めていかないと、いつまでたっても次のレベルに到達しないのでもはや必須である。弾けるようになるまでは楽器は楽しくないので苦行でしかないがこの隙にやっておくべきだろう。

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今の状況はもちろん『サバイバルだなぁ』と感じているけど今までも大して変わらない状態だったので個人的にはあまり深刻にはなっていない。ただ、長年硬直していた世界がウイルスでこんなにパニックになるのか…と驚いてはいる。今回の騒ぎでは個人の力で生きている人が一番影響を受けるわけで陰謀説を信じたくなるが真実は如何に…まあそんなことは正直どうでもいい。俺の周りのミュージシャン、アーティスト、個人商店を営む友人達がこの災禍を生き延びて幸せな未来にたどり着いてくれればそれで十分だ。世界のことを心配するほど俺はこの世界を愛していないし。

 

たまには自分の曲を思い出してみよう

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金曜の夜のセッションのセットのベーシックを考えている。今回のゲストの Satukan Tiya Tira は素晴らしく上手いギタリストで Composer/producer でもあるので即興だけでなく何かテーマを持ったほうが両面が見えて面白いはず。俺の曲はワンループ基本で単純なのですぐに演れるだろうし《自分の曲を何曲か録って送ろうかな…》と思っていたらまさにそのタイミングで彼から同じ内容の連絡があった。

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映像で見るとよくわかる演奏力の高さ。丁寧なタッチの美しいアコースティックギターの音色。もともとチェンマイではチェンマイ大学に音楽科があるので音楽理論の教育を受けてしっかり演奏のトレーニングを積んだ若くてうまいミュージシャンと会う機会が多い。他にも Joe Enso という長身で男前でロン毛の似合う少女漫画に出てきそうなギタリストの友人がいるが、彼もとても美しい音色を奏でる。ループマシンでアンビエントもやっていて少し演奏スタイルが近いもので、ツアーに行くと会う機会が多い。自然の多い場所ではナチュラルでフォーク色の強い曲を演奏するアーティストが多い。俺はツアーに出るといつも共演する彼等のような素晴らしいミュージシャン/プレイヤー達と音で会話を交わしながら正しい音楽を学んでいる。所変われば音色もバランスも全て違う。毎回得るものは多い。いろいろなタイプの先生に学んでいるわけで贅沢な話だ。半面、長年夜を彷徨う野良ミュージシャンにもそれなりの手練手管があるわけで、彼等はそれを面白がってくれている。一応ギブアンドテイクだ…多分(笑) 常日頃から音楽を中心に生きている彼等としっかり向かい合うためにはトレーニングは欠かせない。日々のモチベーションにもなるしあらゆる意味で感謝している。

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そんなわけで今日は朝からセッションのネタとして長年弾いているうちに出来上がった曲を思い出して順番に演奏し始めた。いつのまにか結構な曲数が頭の中に…たまにこれをやるのは記憶を整理する意味でも良い。我流一本鎗の俺の曲はやはり洗練とは程遠いけど日々の積み重ねってのは音に命を与えるし飾りのないメロディーが求心力を発揮する場面も多い。結局自然体が一番なのだ。今回も楽しんでいこう。