Never Ending Summer

バンコク在住日本人ギタリストの日記

日々の徒然とトレーニングに関するあれこれ

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前回の帰国からもうすぐ1年だ。日々は瞬く間に過ぎていく。一人で過ごす時間が多いのでこの街に来た頃、おもしろいことを探して街をうろうろしていた頃のことをよく思い出す。歩いて見るともう様変わりして残っていない場所も多い。座り込んで眺めていたいが店もないし座るところすら無くしている今のバンコクの街は何をするにもいちいち面倒だ。今回の引き籠り生活で解ったが、行きたいところに行けず会いたい人と会えない状況は単純に楽しくない。たまには生きていることを自身の肉体で確認する必要がある。多分こんな考え方は新世代においては旧い考え方になっていくだろうから俺は新しい生活様式には適応できそうにない。久しぶりに友人と会っても気軽に握手すらできない世界でよれよれのじじいになって生きながらえるのはかなりハードだ。

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少しずつ人出が増えているが、まだビルや店の入り口で毎回検温して名前と電話番号を書くか携帯で自分の位置を記録しなければいけないので面倒で出歩くことはほぼ無い。みんな少々うんざりしているがタイ政府の言うことを聞かないと規制が解除されず仕事が再開できないのでおとなしく従っているという感じ。コロナに関する世界各国の政府の対応ってのは各国の良い面、悪い面が剥き出しになっていて興味深い。個人的には日本の対応の印象は優柔不断で場当たり的でおまけに遅いという想像の範疇。ただ、今までに何度も災害に遭って復興慣れしているのでこの後の事態の収束だけは世界一早いんじゃないかって予想をしている。すべてを《なかったことにする》のだ。なし崩しに日常を取り戻して都合の悪いことをすべて忘れてしまう。これに関しては良いのか悪いのかよくわからんけど専守防衛って感じではある。

 

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演奏に関するメモ

先週の課題はランダムなリズムパターンとの即興。上のメモでは序盤はパーカッションループノイズを回して中盤から8パターンの別々に作ったリズムトラックのミックスとモノシンセのシーケンスを回してその上で即興演奏をしている。計算して作ったものではなく別々の即興演奏の結果出来上がったリズムトラックを軽く調整しただけなのでアクセントと拍子がバラバラで安易には合わせられない。どうやらこのくらいの曖昧さががちょうど良い。演奏していて楽しかった。最近のギターの傾向は《恥ずかしがらずにストレートに80’sをやる》である。それなりの年になると格好をつけたくなってどうしても演奏が無駄に小難しくなりがちだ。斬新だけどシンプルでクリアで明るいという小難しさと対極の80’s風のポップなリフを放り込むほうがギャップがあっておもろいんちゃうかな…という試み。なのでループマシンは1台だけでひたすら弾かないと演奏が成り立たない最小セッティングにしている。

即興演奏に関するトレーニン

即興演奏のトレーニング時に条件を限定するのは効果的だ。安易にマシン等々に頼っていた手抜き部分が浮き彫りになって良く見える。

  • BPM、リズム、各種ノイズ、街の音…等々ランダムなお題と演奏する。
  • 使用ペダル、音響機材を極端に限定する。
  • 使う弦を限定する (低音から4弦のみ使用、高音3弦のみ使用、弦無し等々)
  • 使用する音階を限定する (CとDのみ、とかGACのみ 等々)
  • 出鱈目なチューニングで演奏する。

等々、上記のように条件を限定してその状態で30分ほど演奏を成り立たせる…というトレーニングすると対応力が上がって良い。とはいえ得手不得手はあるもので、俺はもう数年繰り返しているにも関わらず音階を限定した演奏がとにかく苦手だ。未だにうまくやれない。数年前にゴルフさんとのセッションでこの Chordに関する知識を試されるかのようなお題を出されて、いざ始めると何も知識が無いもので「おお!?なに弾けばええんや??」とめちゃめちゃ追い込まれた。悔しくてそれ以来トレーニングを始めたわけだがこの課題はひじょうに手強い。スロウな俺の脳が理解するまでにはもう少し時間がかかるようだ。

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効果的な音色の作り方

エレキギター1本の演奏であれば音色は手元のトーン/ボリュームのコントロールと演奏のタッチにギターアンプで作ることになる。ギター1本で長時間演奏するスタイルはギタリストとして一番クールだけど昨今はあまり見かけない。やはりなんだかんだとペダルを使って音響効果を混ぜて音楽を構築して見せる方向になる。

基本はひたすらギターを触ってあらゆる音色を実際に弾いて試すしかない。その音が効果的であるかどうかの《判断》こそが個性の部分になるわけだが、最終的な判断基準はいわゆる《直感》で《自分が気持ち良いかどうか》しかない。あとは現場で演奏中のお客さんの反応で補正される。重要なのは音階ではなく《感覚を記憶すること》だ。それに加えて各ペダルのツマミの位置、ギター本体のセッティングとタッチ、音量のバランス等々も連動して記憶する。その後は演奏毎にアップデート続けると磨きがかかっていく。俺は記憶力に自信がないので録画メモを残して後で聞いて時間をかけてインプットする。活動初期はこれをやっていなかったので進みが遅かった。

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昨今のギタリストは音色は曲に合わせてセッティングをメモリーしてペダルでセッティングを呼び出すスマートなスタイルが一般的。しかし即興演奏の場合は曲が無いので一切メモリーしないという個人ルールを頑なに守っている。それは良いのだけど最近機材が増えたのもあってコントロールする為にステージ上ではいつくばっている場面の写真がやたら多い。ぜんぜんカッコよくない(笑) どうしたもんやら。