We know we need to change something.
I know I need to change something. ‐Steve Jobs‐
バンコクの片隅でうろうろしているだけの俺には何も関係のない話だが、香港のデモは久しぶりにとても気になるニュースだ。結果次第で今後の世界の潮流が変わるような大きな出来事に見える。《人口が多いし、投資すりゃ良い稼ぎ場になるだろう…》と世界中の国や企業が安易に目先の利益を優先して投資をして中国共産党を甘やかし続けた結果、中国共産党は順調に経済力を持ったわがまま放題のモンスターに育った。日本政府はチベットやウイグルで現在も行われている粛清や文化的虐殺を国益優先で無視し続けている。日本のマスコミもあまり取り上げない。香港の民主活動家が日本で会見を開いて助けを求めているけど政府はアメリカに命じられない限りはこれからも何も言わないだろう。日本政府は常にアメリカの命令に従っている忠実な犬だ。もとより自分の意志が無いのだから美学の欠片も感じない。
デモの中心にいる学生たちが明日にも《自由》を失いかねないという危機的な状況を打ち破るためにどんな対応策を考えるのか、その行動の結果世界中の若者がどう反応するのか…とても気になる。中国で起きているようなことは世界中で起きている。ただその欲望を隠すか隠さないかってだけだ。この件に対する各国政府の対応によっては普段隠されている思惑がむき出しになる可能性があって、それが各方面に飛び火する可能性もあるわけで、不謹慎な話だけどそれがとても興味深い。俺たちは子供のころから従順な社会の歯車として生きる為に思考停止するよう教育されているが、今の若者は世界中の情報をリアルタイムで容易に得られるし、年寄り連中と違って賢く柔軟だ。呪縛が解けて考え始めさえすれば直ぐにでも矛盾に気が付くだろう。従来のやり方では世界は変わらないことは既に証明されているし、戦争にも意味は無い。世界が変わるとすれば《国家》ではなく《個人》という単位での意識の変化、国家を超えた連帯しかない。ネットを介した Neo Anarchism …とても魅力的だ。この世代間闘争の結果によっては旧人類はお役御免になるだろうけど、もともと社会にろくに参加していない俺の生活にはたいした変化はない(笑)今の世界の仕組みは醜い。それが変わる瞬間が見られるなら年老いて野垂れ死にでも上等だ。既得権益を守るために世界中に張り巡らされた見えない鎖を彼等が断ち切ってくれることを期待している。
新たな世界の夜明けと混沌を夢想しつつ休日の早朝を過ごしているが、俺の日常は何も変わらず洗濯をしてギターを弾きひたすら音楽のことを考えているだけだ。やりたいことがそれしかないのだからどうしようもない。『なぜ？』『何のために？』と不毛な議論が延々と脳内で続いているがそれにもたいした意味はない。まだ生きてるので演奏している。理由のない怒りに突き動かされることも無くなったし何かがどうしても欲しいとも思わない。ただただ傍観しているだけの無為な日々。問題は、俺がその無為な日々を嫌いではないってことだ。これでは変わりようがない(笑) 俺は怠惰で享楽的なキリギリスでひとりが好きで偏屈で理屈っぽくて面倒なスナフキンだ。どうしようもない。
午後になって軽い虚無感を感じながらMUSIC BOXのようにずっと演奏してmemoした音源を聞き直していたら、以前に出演した素敵なパーティーの女性 Organizer からメッセージが届いた。
『KOTA！またパーティーをやるからフリーだったら2時間ほどギターを弾いて！』
2時間！なんて嬉しいオファーだろう。今度の場所はデザインスタジオ。美しい空間で演奏ができる。 西日本ツアー用のロングセットの前哨戦だ。
『メッセージありがとう！もちろんやるよ』
前回の出演から１年も経っていないけど俺は進化している。期待に応えられるだろう。おまけにハンドパン奏者のOnとHonのカップルと久しぶりに共演。彼等がハンドパンの工房を始めてから忙しくてなかなか会えていないのでとても嬉しい。
結局今日は良い日だ。幸せなのでまたギターを弾こう(笑)
